人前で弾く緊張について(3)

人前で弾くシリーズ最終回です。


本番を終えた後も、ちょこちょこと何かしら毎日弾くようにはしてました。
そして気づいたのですが。


何だか、少し向上してるな、と。
具体的に言いますと、左手指の3と4(薬指、小指)の筋力が、前よりも強化された感じがする。
前は、薬指・小指はどうしても筋力が弱くて、押さえるのがしんどかったのだが、本番を経た後にヴァイオリンを弾くと、前よりも薬指・小指の押さえが楽になっている。
前よりも、しっかりと強い力で押さえられるようになっていることに気づいた。


これは思わぬ収穫でした。
弾いた曲は、別に難しいクラシックとかじゃなく、誰でも知ってる系の歌のメロディーラインを弾いただけで、テクニック的に難しいところは一つもなかった。

しかし、人前で弾くとなると、易しい曲といえども決して油断はできない。
本番の恐ろしさは、よ~く分かっています。

事前に、ゆっくりと、左手指はがっつりしっかりと強く押さえて練習を重ねたことが、功を奏したとも言えましょう。
でも、それだけじゃない。

人前、という極度の緊張下で弾く、というのが、いわゆる火事場の馬鹿力を発揮させて、恐らく普段は出せないような強い筋力を左手指に出させた。
それが、筋力の強化につながったのだと思われる。


あと、お客様にお出しできるレベルに仕上げなくては、という気持ちで練習に励んだのも、良かった。
この、「お客様にお出しできるレベルに仕上げる」というのが超重要です。


そういうサービス精神、おもてなしの心で練習を重ねることが、ものすごく上達に資する。
ただ自分が楽しんで弾いているだけでは、限界がありますね。


やっぱり、人前で弾く、というのは大事だな、と思った。
発表会でもいいから、時々人前で弾かないと、なかなか本当に上達はできないのだろうな、と思う。

そりゃ、まあ、人前で弾く、って言ったって、だらだらと練習して、なんとなく本番を迎えて大失敗をやらかしちゃった、なんていうのは論外で、何の意味もないばかりか有害ですらあるけども。


たとえ発表会といえども、聴衆はいるワケですから、その人たちに少しでも楽しんでもらおう、楽しんでいただこう、という気持ちで日々の修練を積み、本番を迎えれば、そういう意識をまったく持たずに臨むよりもはるかに何かしらいい結果がかえってくると思いますよ。


中には、「わたし、こんなに上手に弾けるのよ、どう、すごいでしょう? さあほめて、わたしを褒めちぎりなさい!」という意識で弾いている人がいたりしますが(実際にいる)。
そういう人の演奏は、音が美しくないし、とてつもなく退屈で聴いてて不快ですらありますよね。

なんか、自分が称賛を得るために練習して弾いている、というのが、演奏を聴くだけでまるわかりな人が少数ながら本当にいる。


そうじゃない。
まずは、自分自身が音楽を楽しまなくては。
自分自身が、これから弾く曲に感動しなくてはいけない。
そして、次にその感動を、お客様に伝えるために、練習をするのです。

自分が、この曲いいなあ、この曲好きだ! 感動する! ってのが最初にあって、それをお客様と共有したい、お客様にお伝えしたい、という意識で本番に臨むことが、演奏の基本であり、大前提なんじゃないでしょうか。


人前でいいカッコしたい、バリバリ上手に弾いてるところを見せて、自分を良く見せたい! 自分のうまさを見せつけてやるぜっ!

……みたいな、個人的かつ自己中心的な動機から出発している演奏は、正直、退屈極まりなく不愉快ですらあります。


やめてほしい。
ってゆーか、やめろよ。
マジで。



話変わりますが、先生の前で弾く段になると緊張する、っていうのがあります。
ワタシもかつて習っていた頃は、そうでした。
家では一人でノリノリで弾いていても、先生の前に出ると、とたんに委縮しちゃう、みたいな。

でもこれって、仕方ないですよね。
だって、先生相手に、サービス精神だとかおもてなしだとか、そんな気持ちになれるワケないじゃないですか。

先生は、明らかに自分より上で、うまいワケだから、自分ごときが先生に対して感動を伝えるだとか、曲の良さを共有したいだとか、そんな心境になれるハズがない。
どうしたって、自分が下、自分は音楽をお届けする立場などではとうていなく、評価を下され、ダメ出しをされる立場にいる。
そんな状況下で、うまく弾けるわけがない。

だから、先生の前で緊張してうまく弾けない、っていうのは当たり前だと思います。


でも、ワタシがかつて習っていた先生は、その辺のことを分かっていたのか、ワタシに対しても、先生を楽しませろ! みたいな指導をしていた気がする。

ま、そううまくは出来ませんでしたけどね(笑)

どうしたって、先生が上、自分が下、とうてい自分なんかがかなうハズないんだから、先生を楽しませる演奏なんか出来るワケないじゃん! っていう気持ちを払拭することが、最後まで出来なかった気がするよ。

だから、先生の下を離れ、誰にも習わなくなって、自分独自に追求するようになって初めてそこら辺の認識にたどり着いた、と、そういう気がするワケなんですね。

人間、なかなか難しいモンですなぁ……

別にいいけど。なんでも。


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ばっかバッハ

Author:ばっかバッハ
ヴァイオリンを習い始めたのは16歳くらい。
それから30年以上の歳月が流れ…今ではアラフィフ。
年齢とともに楽器を弾くのが辛くなってきたので、ゲームで遊ぶことも。

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