松脂、Archet(アルシェ)。

今日は、ヴァイオリンで松脂のArchet(アルシェ)を使ってみた。
日本製。


曲はいつも通り、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番ト短調BWV1001から、第1楽章アダージョとダ2楽章フーガ。


うん。


なるほど。
やはり、松脂が違うと、全然違いますね。

どう違うのか。

アルシェだと、とにかく「弾き易い」。
軽く、音が出る。
その分、16分音符で細かく動く難しいパッセージとかが、とても弾き易くなる。

ただし、音はあまり良くない!

音の良さを犠牲にして、難しいところを弾き易くするような、そんな効果があります。
粘り気がないんですね、とにかく。
粘りがないので、いい音は出ない、しかし、難しいところはすごく弾き易い、というか。


なんだか、安い楽器にスチール弦を張って弾いているような、そんな弾き易さと、安っぽい音。
楽器が本来持っているポテンシャルを、みすみす下げて、でも難しいところは弾き易くなるよ、的な?


「弾き易さ」と「いい音」っていうのは、実は二律背反で相矛盾していて、両立しないんですね。
「いい音」を追求すると、すごく弾きづらくなる。
「弾き易さ」を追求すると、いい音は出ない。
どっちを取るか?
っていうトレード・オフです。

アルシェは、明らかに音の良さを捨てて、弾き易さをひたすら追求した松脂だ。
いかにも、日本製っぽいな。

っていうか、軽く弾けることしか考えてなくて、「いい音」とはそもそも何なのか、それが分かってない人が開発した、という感じがする。
ヨーロッパの文化であるクラシック音楽の世界を、よく分かってない日本人が開発した、そんな松脂ですね。
自分的には、これは「無い」です。

今の自分が追求しているものとは、真逆の方向性なので、もう二度と使うことはないですね。

音の良さを犠牲にして、難しいところをとりあえず弾けるようにする、っていうのは、昔の自分でした。
今は、たとえ弾きにくくても、いい音を追求して、難しいところが弾けなくても「いい音」にこだわり、最終的には「いい音」で難しい曲ですらも弾きこなせるまでに己を鍛え上げる、っていうのが目標だから。

だから、アルシェだけは、無いです。


難しい曲をさらさらと弾きこなしたい、という場合には、使えるかもしれませんけども。
ワタシ的には、ないですね。
違う、これは。
これじゃない。


……まあ、ワタシの個人的な見解ですから、信じるか信じないかは、あなた次第、ということで。



突然、話は変わりますが、ダヴィッド・オイストラフというヴァイオリニストがいた。
CDを何枚も持っていますが、彼の音はとにかくすごく粘り気がある。
だから、すっごくいい音してる。
あれだけ粘り気のあるいい音をしていながら、テクニック的にも完璧だから、すごいワケです。



ま、それはともかく。
ヴィオラに持ち替えて。
今日は、ヴィオラの弓に昨日のリーベンツェラーゴールドを塗って弾いてみた。
本当はヴァイオリン用で、ヴィオラ用ではないのだけども。
松脂のヴァイオリン用とかヴィオラ用って、何が違うのだろうか??
違いがイマイチ分からない。

なので、ヴァイオリン用のリーベンツェラーゴールドをヴィオラ弓に塗って、いざ、試奏!!

曲はマックス・レーガーの無伴奏ヴィオラ組曲第1番。

しかも全楽章。

うん。
これまでは、ヴィオラ用ではLaubach(ラウバッハ? ラオバッハ?)っていうドイツ製の松脂を使っていたのですが。

リーベンツェラーゴールドだと、音が出やすい。
しかも、アルシェよりは粘り気もあるから、バランスが取れている、というか。

だから、クソムズいマックス・レーガーが、Laubachのときよりも弾き易くなった。
でも、やっぱり音の良さでは、Laubachに一歩譲るかな……
Laubachは、とにかく弾きづらいんですよ。
でも、すごく深くていい音が出る。
弓が弦に粘りつくので、その分、非常に弾きづらい。

リーベンツェラーゴールドだと、そこまで粘りつかないけどすぐに弓が弦に引っかかるので、とても音が出やすく、弾き易い。

激ムズなマックス・レーガーも、少し弾き易くはなる。

う~ん、弾き易さといい音、どちらを優先すべきか。
やっぱり、弾きづらくても、いい音の方が優先かなぁ……


弾き易い(音は良くない)

アルシェ


リーベンツェラーゴールド


ベルナルデル
Laubach

音がいい(弾きづらい)

というような印象ですね。
しかし、あくまでワタシの個人的な見解ですから、信じるか信じないかは、あなた次第、ということで。


明日は、Guillaume(ギオーム)を試してみる予定。


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松脂を大人買い。

松脂を、大人買いした。


先日、いつも使っていたGUSTAVE BERNARDEL(グスタフ・ベルナルデル)の松脂をうっかり落としてしまったら、床にパーン! とイヤな音を立てて当たった。
こ、これはもしや……と思って見てみたら、縦横にヒビが入ってしまっている。
少し触ったら、ヒビに沿ってバラバラに砕けた。

貧乏な頃だったら、火であぶって溶かして、くっつけて再利用するところだが、今はそこまで困窮しているワケでもない。
どうせなら、気になっていた松脂を数種類買い込んで、使い心地を試してみようか、と思って。


1.GUSTAVE BERNARDEL(グスタフ・ベルナルデル)……いつもの定番。フランス製。
2.Archet(アルシェ)……日本製。
3.Liebenzeller(リーベンツェラー)/Gold(ゴールド)……ドイツで創業された。ドイツ製?
4.Guillaume(ギオーム)……ベルギー製。


以上の4種を、大人買いした。
さて、どれから試してみようか。

Bernardel(ベルナルデル)はこれまでずっと使っていたから、違うヤツを試してみよう。
一番、気になるのは、ドイツ製っぽいリーベンツェラーゴールド。

ヴァイオリンの弓に、たっぷりと塗り付ける。

そんな、松脂が変わったくらいで、音に変化あるの?
大して変わらないんじゃないの~、と内心、侮りつつ、まずは調弦。


……っ!?
何ッ!?

Σ( ̄▽ ̄;)!?



音の出が、まるで違うだとっ!?


曲を弾いてみる。
バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番の第1楽章アダージョ。
むぅ……こ、これは……。

松脂が変わるだけで、音の出方がまったく違ってきた。

リーベンツェラーだと、音がはっきりくっきり、シャープに鋭角的に鋭く出ますね。
その分、音出しに失敗すると、ギコーッ、と雑音も出やすい。
全ての音を、しっかりと出さないと、ダメだ。
しかし、シャープで歯切れのよい、クリスタルのような透明で硬質な音が出る。

う~ん、ただし、ベルナルデルのときのような、柔らかく暖かみのあるクリアな音は出ないような……?
一長一短かな……。
明日は、アルシェで試してみよう。


ヴィオラの方は、昨日、かなり調子に乗って(?)マックス・レーガーの無伴奏ヴィオラ組曲第1番を、全楽章譜読みしただけでなく、第1楽章と第2楽章は、内面から湧き上がってくる狂気に任せて、脳内というか体の裡に流れる音楽そのままに、左手を従属させて思いっきり弾いてみたりしたら、かなり疲れてしまって。
左手指は筋肉がパンパンになるような感じだし。
精神的にも消耗した。

なので、今日はマックス・レーガーはお休みにして、バッハのヴィオラ・ダ・ガンバソナタ第1番の第1楽章をしっとりと弾いて終わりにしておいた。
バッハは久しぶりに弾いたけど、テクニック的には少し楽になっていた。
ただ、音が出づらい。
どうも、マックス・レーガーのときとバッハとでは、音の出し方がかなり違うようで。
マックス・レーガーに慣れてしまうと、バッハが弾きづらくなってしまう。

マックス・レーガーばかり弾いていたから、脳内にイマイチ、バッハが流れない、というのが大きいのだが……

弦楽器っていうのは、楽器をどう弾くとかいうことよりも、脳内にどんな音楽が流れているか、どんな音色が脳内にイメージとしてあるか、というのが重要で、その脳内に流れている音楽、音色、そのイメージ通りの演奏しか、できない。
脳内に音楽がないと、とてもじゃないが弾けたモンじゃない。


そういうモノです。


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ヴィオラで遊ぼ!

あ~。

今日は久々に、ヴィオラで遊んだ。
遊んだ、って具体的に何したのよ?
っていうと、マックス・レーガーを弾きまくった、ということ。
時間制限なしで、とことんまで、ね。


そういうの、自分の中では、ヴィオラで遊んだ、という扱いになる。

ヴァイオリンの方も、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番ト短調BWV1001から、第1楽章と第2楽章を一通り弾いておいたけども。
第2楽章フーガは、少しずつ音がつながるようになってきた。
あの鬼な重音の連続が、少しつながるようになってきたのである。
この調子で続けよう……

それはそうと、マックス・レーガーの無伴奏ヴィオラ組曲の方です。
第1番ト短調は、第1楽章と第2楽章がかなりクレイジーで、狂気を噴出させるかのような曲想となっている。
第1楽章はだいぶ音を覚えてきた。
さらに難しい第2楽章も、ずいぶんと慣れてきた。
b3つになるアンダンティーノの中間部を、ゆっくりめのテンポでねっとりと狂気を込めて弾いた。
いい具合だ。

ただ、この第1楽章と第2楽章は、自分の中から噴き出してくる狂気がなくなると、弾けなくなりますね。
今日あたり、一応休みの日だから、あまりストレスがない。
昨日、一日中だらだらして疲労もずいぶんと取れた。
そうやって、心が平和で平静で温和になってくると、どうも気分に合わなくなる、ってのはありますね。
それでも、ワタシは元来が心を病んだクレイジーな人物なので、そういう精神状態を思い出せばすぐに弾けます。

とはいえ、思い出しながら演技する、っていう弾き方にはなりますな。

今日は続いて、第3楽章と第4楽章も譜読みしてみた。
第1・2楽章はグロテスクで狂気な感じだったのだが、3・4楽章はガラリと変わって、まともな音楽になっている。
第3楽章はいわゆる緩徐楽章なんだけど、狂気の沙汰は鳴りを潜めて、重音奏法が美しく響く、しなやかな歌になっている。
すごく、まとも!
バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタの第3楽章みたいな雰囲気。
テクニック的には相変わらず至難を極める。
でも、昔に比べると、今の方が技術力が上がっている。
昔は、こんなんどうやって弾くっちゅうねん!?
としか思えなかった激ムズい箇所も、今はかつてとは違う、もっと合理的で弾きやすい指使いを考え出すことができるようになった。

昔はマジでショボかったから、できるだけ第1ポジションか第3ポジションで弾くようにしていた。
そんなんで、弾けるワケねぇっちゅーの。

今は、音型に応じて、第2ポジションも、第4、第5ポジションを使っても苦ではない。
いろいろなポジションを駆使して考えていくと、急に難易度が下がる気がする。
どうにか弾けそうな。

第4楽章は、これもバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタのような、16分音符でひたすら走り続ける無窮動。
昔は激ムズ過ぎてまったく弾けなかったものだったが……
今は違った。
さきほども述べたように、いろいろなポジションを駆使することで、一見して激ムズそうに見える音型でも、弾きやすくすることができる。
それなんで、最初から最後まで3回くらい通して弾いて、最適なポジションと指使いを考え出し、書き込んだ。
よし、これでどうにか弾けるだろう……
やはり、第1ポジションと第3ポジションだけでは、おのずと限界がある。
第2、第4、第5あたりまで使いこなせないと、こういうロマン派の曲はとてもじゃないが弾けやしないね。

この第4楽章も、譜読みした感じだと、ちっとも狂気じゃない。
バッハのような、カッコよさを前面に押し出した、まともな曲だった。


どうせなら、第1・2楽章があんなに狂気噴出してるんだから、3・4楽章もその路線で突っ走ればよかったのに。
この辺の中途半端さが、いまいちメジャーになれなかった原因なんじゃなかろううか。

まともなバッハ風な曲を書いたって、本家バッハに敵うワケ、ないじゃん!



そんなこんなで、今日はマックス・レーガーの無伴奏ヴィオラ組曲の、第2番も譜読みしてみた。
第2番はニ長調。

明るい曲なのか、と思いきや……
第1楽章は、一言で言って、「変な曲」。
かなり、「変」。


狂ったピエロ、みたいな。
一見して楽し気ではあるんだけども、目が狂ってる、といったような。

殺人ピエロ、スティーブン・キングの『IT』か?
ってな具合の曲想、だったと記憶している。

かつて先生について習っていた頃に、発表会で弾いたハズなんです。
その時の記憶だと、そんなような、実に妙ちきりんな曲だった。
しかし、今になって譜読みしてみると、全然、弾けねえ……
激ムズすぎる。
こんなん、どうやって弾いたのか。

楽譜には、指使いが書き込んであるし、フレーズの区切りの線まで引いてある。
弾いた記憶はあるものの、どうやって弾いたのかは、まったく覚えていない……
これも改めて、丁寧にさらい直さないと弾けないね……

第2楽章も、かつて発表会で弾いた記憶があるんだけども、やはり同様に、今になって譜読みしてみるとまったく弾けない。
どうやって弾いたんだ……
昔の、若かった頃のワシって、実はすごかったんじゃね?
と思えるレベルだよ。

第2楽章は、いわゆる緩徐楽章になるんだけども、これはまた一転して、狂気の気配がない。
とっても心に沁みる、美しい歌の楽章。

マックス・レーガーは、意味不明で晦渋で、狂気噴出でケイオティックな曲ばかりなのかと思ったら、意外にそうでもなくてまともなクラシックっぽい音楽もある。
逆にその辺の中途半端さが、いけなかったのかもしれないが……

どうせなら、狂気の道をひたすら突っ走った方が、メジャーになれたのかもしれない……
いや、日本で有名じゃないだけで、ドイツとかに行ったら、今でも有名な作曲家の一人なのかもしれないけども。


そんなようなことを想いつつ、マックス・レーガーの世界に浸るのは、正直に言って、とてつもなく楽しい。
この世の中に、これ以上の遊びはない、と思う。
こんな面白いこと、他にないよ。


もうね、自分的には、ヴィオラで遊んでる、という感覚しか、ない。
別にツラい練習を我慢して頑張ってやっている、とか、そういうのは皆無。

っていうか、音楽において、ツラい練習を我慢して頑張ってやる、なんてのは、そもそも必要ないし、そんなのは百害あって一利もない、間違った行為でしかないと思う。

音楽はやっぱり、面白いから、感動するから、心に沁みるから、胸にズンと響くから、だからやるのであって、変に日本の部活動みたいに、苦しいツラいことを我慢して、根性でやり切るから偉い、みたいなのは、音楽とは正反対の、間違った方向性だと思うよ。

孫のRちゃんも、自分が楽しいから、感動するから、心に沁みるから、だからピアノを弾いている。
そしたら、Rちゃんが習ってる先生の教室で、Rちゃんの音があまりにもいい音なもんだから、他の生徒さんに見学させて、Rちゃんのレッスンしてたんだってさ。

びっくりしちゃったよ。
でも、ヴァイオリンの方は、かなりキツくてツラい肉体的訓練を必要とするからね。
あまり、出来ていない……それが現実。


しゃーないな。



あ、あと書き忘れていたけども。
マックス・レーガーをさんざん弾きまくった後に、無伴奏チェロ組曲第1番のプレリュードを久しぶりに弾いたんですよ。
そしたら、前よりも格段に、弾きやすくなっていた。
マックス・レーガーがあまりにも至難な曲なので、それを必死こいて弾いていたせいで、テクニック的にはいつの間にか向上していたらしい。
一時はさっぱり弾けなくなっていたバッハ無伴奏チェロ組曲が、かなり楽に弾き進められるようになっていた。
やったぁ!!
これは、すごく良かった。

マックス・レーガー、練習曲としても、優れているかもしれない……
ただし、練習曲扱いじゃあ、とても弾けないけどね。
本気で、狂気と怨念を込めてねっとりしつこく弾かないと、弾けません。
そんなような曲です。


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練習を適度に休んだ方が弾ける。

……ここのところ、必ず毎日練習していたのだが。
一日たりとも欠かすことなく、どんなに疲れていても、1曲通すだけくらいは絶対にやる、というのを続けていた。
楽器にさわらない日は一日たりともない、という日々だったのだが……

しかし、昨日はさすがに体調が悪すぎてその連勝記録(?)にもストップが。
ついに、練習を休んだ。

まあ、その、何でそんなに必ず毎日練習することにこだわっていたのかというと、何といっても「安定した構え方」を完全に体に馴染ませるため、という目的があった。
それができるまでは、サボってはいけない、ってのが自分的にはあって。

それで、毎日欠かさず、何かしらは弾くようにしていたのだけれど。


昨日、一日練習を休んで、今日になって改めて弾いてみると、なんだか、少し弾けるようになっている。
一日休んだことで、左手指の疲労がとれて、さらに毎日の練習の積み重ねの成果が出て、少し弾けるようになる。

毎日毎日、休まず練習を続けていると、左手指の筋肉に疲労が蓄積してきて、むしろだんだんと弾きづらくなっていく。
指が疲れちゃって、難しい重音とか、重音じゃなくても弾きづらい音型とか、そういうのが弾けなくなっていく。

適度に休むことで疲労をとりつつ、日々の積み重ねで音も忘れない、というくらいのバランスが、一番いいのかもしれない……


でも、休むのはせいぜい一日くらいにしておこう。
これが1週間とか10日とか、長期に休むとホントに何も弾けなくなっちゃうからね。

でも長期旅行のときは弾けそうもないしな……
ヤマハサイレントヴィオラは、自家用車で移動ならトランクに積んでいけるけど、新幹線で移動とかになると、さすがに持っていくのはかなりしんどい。

ましてや飛行機で移動となったら……(それは滅多にないけども)


ま、それはともかく、曲はいつもどおり、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番ト短調BWV1001の第1楽章アダージョと第2楽章フーガ、それからマックス・レーガーの無伴奏ヴィオラ組曲第1番から第1楽章と第2楽章。

一日、練習しなかったことによる多少の感覚の衰えはあるものの、筋肉疲労は取れていて、むしろ良く音が取れる。

特にマックス・レーガーの第2楽章Vivaceは、非常に困難を極める鬼重音が連続するのであるが、これがずいぶんと取れてきた。
以前は、ものすご~く遅~く、慎重に的確に音を取らないととても弾けず、まったくVivaceで弾けなかった。
しかし、今日あたりはちょっとVivaceっぽく、生き生きとしたテンポで弾けそうな雰囲気が漂ってきた。

すごい。

中間部はアンダンティーノだったかな。
テンポ的には、少し遅めになるのか(合ってるのかな?)

だから、Vivace部分をそれなりに速めのテンポで弾いていないと、中間部のアンダンティーノとの差別化が図れなくなってしまう。

かなりの難曲では、ある。
しかし、いい曲だ。
自分的には。

病んで乱れた心に、すーっと沁み込む癒しの効果があるね。

夜の街の片隅で、不本意ながらも堕落していくような、そんな悲哀を感じるよ。



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マックス・レーガーの神髄。

音楽性の違いで、揉めた。

妻と。



音楽性の違いというか、孫Rちゃんの指導方針の違いで揉めた、というか。
まあ、音楽において何を重視するか?
とりあえず今、何に重点を置くか?

という視点の相違で、大喧嘩。


まあ、それだけ愛情がある、という裏返しでもあるので、悪いとばかりも言えないけども。


しかしたいてい、世の中、女の方が強いので。
最終的には、ワタシが負ける。
そして身を引く。


でも、負ければワタシだって面白くないから。
頭に来るし、腹も立つ。



そんなとき、どうするか。


マックス・レーガーの無伴奏ヴィオラ組曲を弾きます。
この曲のすごいところは。

こういう、腹立つ! ムカつく! 激オコ!
っていうとき、何かをめちゃくちゃに破壊したい、暴れまくりたい、殴りたい、蹴りたい、そういう暴力的で攻撃的な、そんなネガティブ極まりない気持ちのときに。

そんな気持ちを乗せて弾くのに、非常に適しているんですね。
これは、コレですごいです。


バッハとかモーツァルトとかベートーヴェンとか、正統派クラシックだと、そういうネガティブな感情はほとんど出てこなくて、どっちかっていうと非常に調和のとれた、穏やかだったり、静謐だったり、時に激しくても、それは暴力的なものでもないし、もっと高度な精神性を秘めているし、楽し気だったり、明るく華やかだったり、あるいは悲しみ、哀愁、憂愁……とにかく、健全なものばかり。


マックス・レーガーは、違います。
ネガティブで、インモラル、不謹慎極まりなく、下劣で下品。
暴力的で粗暴で、破壊的。
カオスの極み。
悪の美学です。

心を病んだ人が、アルコール依存になったり、グレた少年が暴走族に走ったり。
そういう、極めて不道徳的で堕落的な世界が、マックス・レーガーの音楽には展開している。
そんな感じがする。


だから、負けて悔しい! 花一匁(はないちもんめ)っ!!
あぁ~、ムカつく、ちくしょう、このやろ、このやろ、ぶっ壊すッ!

……とかいう、ネガティブ極まりない、不埒で不遜な感情を、曲に込めて、気持ちをぶつけて思いっきり弾くことができる。

こんな曲、他にはないです。

バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番とかもいいけど、あっちはもっと正統的な悲痛さとか哀愁、爆発する激情、みたいな感じですからね……


マックス・レーガーの方は、もっと下賤な感情をも許容してくれる。
第1楽章は、出だしから激しい感情をぶつけてくる。
感情が波打つ。
そして、不調和で行き場のない、怒り、破壊衝動、そういったケイオティックな不道徳な感情を吐き出してくる。

およそ調和のとれた音楽とは程遠い。

でも、そこがいい……


第2楽章は、第1楽章にさらに輪をかけてテクニック的な困難さを増す。
かつては、まったくまともに弾けなかった。
今の方が、まだ弾けそうな雰囲気が漂っている。
昔は不可能とさえ思えた困難極まる重音奏法も、今ならずいぶんと高率で音程を合わせることが可能になってきた。
それでも、完璧に仕上げるには、まだまだ修練が必要そうだが……昔は修練することもできないレベルだったから。
各段の進歩と言えば言える。

第2楽章の方は、3拍子の舞曲風な曲調にはなるのだけども、やはりどこかグロテスクというか、不安をあおるかのような、とっても精神的に不安定な感じの、神経症的な気分が支配している。

でも、そこがいい……


pからクレッシェンドしてfになる場面が多いのだけど、焦燥感というか、緊迫感というか……
夜の街の裏路地で、犯罪者がこそこそと暗躍しているような、そんな後ろ暗さと見つかったら終わりだという緊張感。
とっても不道徳な、そんなスリルを感じるワケです。

心を病んでいる人が、麻薬に走って、こっそりと売人から入手しているような、そんな後ろめたさと、それと同時に感じる、妙な快感、高揚感。


難しい重音が連続する場面では、そんな暗い感情を表面化させて爆発させる。


しかし、b3つの中間部に入ると、一転してもっと曲は心の内面深く入っていき、麻薬中毒患者が見る、バッドトリップ、悪夢の世界になっていく。
やたらと臨時記号が多く、曲調は意味不明。
非常にけだるく、やる気がないけども、ときどき狂気が噴出してくる。

まさに狂人の妄想。
しかし、妙に共感を覚える!

このグロテスクで異形な造形が、なんだかしっくりくるというか。
ま、ワタシも心は相当、病んでいる方ですからね……


曲は再び最初にダ・カーポして、最初と同じ部分を繰り返して終わる。

全体を支配する、憂鬱で不謹慎で、不道徳で退廃的な気分、しかし時折、狂気を噴出させる激しさも見せる、グロテスクで異形な音楽造形。


RPGとかのゲームをやっていて、たとえばモンスターにゾンビとかが出てきたりしますよね。
そのグロテスクで気持ち悪いデザインに、妙に惹かれるものを感じるときがある。

ホラー系の映画で、不気味で気色悪い恐怖感に、なんだか快感を覚えるときがある。


そういう感覚と、似ているような。


マックス・レーガー、まさに病んだ現代人のための曲です。
とはいえ、ワタシは無伴奏ヴィオラ組曲以外の曲を一つも知りません。

Wikipediaとかで調べてみても、やはり日本ではあまり知られていないようで。
ドイツの作曲家で存命中はかなり著名だったようですが、日本ではメジャーにならなかったようだ。
曲も全然、有名なのが無い。

作風はやっぱり、どれも晦渋(難解、ということ)で意味不明系らしい。
ま、無伴奏ヴィオラ組曲を弾いてみても、まさにそうだからな……


でも、ただ意味がないワケじゃなくて、上で述べたように、人間の持つ、あらゆるネガティブで不道徳で不埒で、下劣で下賤で、社会生活上は表に出してはいけない、破壊的で暴力的で、神経症的で鬱病的な、そんなような厄介な感情をそのまんまどストレートに表現している、そんなような曲だと、ワタシ個人的には感じる。


他人にお勧めは出来ないけども、自分的はすっごくいいです。
ハマります。


心を病んでいる人には、いいかもしれない。
ただし、テクニック的には至難を極めます!


一応、挑戦はしてるけども、最終的には完璧に近い精度で弾きこなし、録音するのが目標ではあるものの。
今のところ、録音にまでこぎ着ける見通しは立っていない……


クソムズいです。
でも、最初から最後まで間違えずに通して弾くことができなくても、音を取りつつ曲の全容を感じ取ることができるだけで、心にズンと響くものがある。
それだけで、この曲を日々、弾く価値があるというものです。
日々の練習、それ自体が、楽しいのです。
別に、何かを求めて、何かを我慢して努力しているワケではないのです。


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プロフィール

ばっかバッハ

Author:ばっかバッハ
ヴァイオリンを習い始めたのは16歳くらい。
それから30年以上の歳月が流れ…今ではアラフィフ。
年齢とともに楽器を弾くのが辛くなってきたので、ゲームで遊ぶことも。

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